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Half of Bean分室

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明るいバッキ―が見たいネタ

どういういきさつかはちょっと置いておいて、
バッキ―が目覚めたら、ウィンターソルジャーの記憶はがぽっと抜けて、列車から崖下に墜ちたところからの続きになっていたというネタ。

・・・・・・・・・・・・・・・・

目を開けるとやたらと眩しい部屋だった。
白い天井。見たことのない形の照明。
不安を感じておかしくない状況だったが、そうはならない理由があった。
俺が絶対的に信頼する昔馴染みのモヤシ野郎が、心配そうな情けない顔をして覗き込んでいたからだ。

「バッキ―、大丈夫かバッキー。僕が分かるか」
俺が落ちたのがよほどショックだったらしい。すっかりムキムキの身体になったが、昔のような心配を露わにした様子で畳みかけるように訊いてくる。
「…わかるよ。そう顔近づけんな、唾かかるだろうが」
少し無理してそう言うと、スティーブの顔が、なんというのか「そこまで驚かなくても」というレベルまで驚きMaxの表情を浮かべる。
なんだ、実はしばらく危篤状態だったりしたんだろうか。確かに思い返すと見事な断崖絶壁ではあったが。
起き上がろうとして違和感に気付く。寝台に突こうとした、左腕が、……無い。
「…おっとこりゃ…」
なるほど。モヤシ野郎の心配顔はこのせいかと納得する。もしも目覚めて一人だったらショックで絶叫していたかもしれない。効き手ではないとはいえ、軍人が肩からそっくり腕を失くしたのだから。
が、傍にいる幼馴染の存在が、面白いほどに俺を支える。
大丈夫だ。俺はこんなことで終わらない。
「あそこから落ちて、片腕で生きてるってすごくねえか?」
意地で笑ってみせると、スティーブがますます目を丸くする。
「バッキ―?」
「なんだよ、作戦は上手くいったのか。ゾラ博士は?」
「…捕まえたよ」
「やったな」

右手を突いて起き上がると、モヤシ野郎の手が背を支えた。いらねえと払おうと思ったが、払う手が無かったので、まあ見逃してやる。
と、スティーブが真剣な顔をして俺の手を掴んだ。
「バッキ―。今は西暦何年だと思う」
「はあ?」
「答えてくれ。今は西暦何年だ」
「………大丈夫だって。1944年だ」
言った途端になぜかガバッと抱き付かれた。
「スティーブ!?」
「バッキ―……!」
何だかモヤシ野郎がものすごく動揺しているのは分かるが、ぎゅうぎゅう抱き付くのは止めろ。超人に思いきりやられたら窒息しかねない。と、言いつつ呼吸困難は別に感じなかったから加減していたのかもしれないが。
「バッキ―、僕は、あの時君を助けられなかった…」
大げさだ、と笑い飛ばそうとしたが、ふと見下ろした肩が震えていたので笑うのは止めて残された右手で軽くその背を叩く。
「ばーか。お前のせいじゃないだろ。ヒドラ野郎の砲撃に吹っ飛ばされたからだし、掴まってた金具が根性なしに折れたんだ」
話しているうちに、だんだんはっきりと思いだしてくる。
「お前は俺を助けようとして、精一杯手を伸ばしてたじゃないか」
思い出す雪の中を走る列車。伸ばされるスティーブの腕。どこまでも落ちていく感覚。
本当に良く助かったもんだ。
思い出せば出すほど死んでいて無理のない状況だ。何となく呆然としていると、しがみついていたスティーブがふと真剣な顔をして口を開いた。

「バッキ―、落ち着いて聞いてくれ。君は崖から落ちて、70年間意識がなかったんだ。今は2016年だ」
「え、だってお前は…」
「僕は君の後、航空機ごと海に沈んで70年間氷漬けになってた。2年前まで」
そんな、冗談みたいなことがあるのか。だが見回す部屋の中が、明らかに俺たちが戦っていたあの頃と酷く違っているのは確かだ。だがそうなると。
「…じゃあ俺が寝てたのは72年間ってことか」
訊き返すとスティーブは変な顔をして、
「そこを訊く?」
と肩を落とした。




・・・・・・・・
取りあえず目覚めたバッキ―視点。
ここはどこだ。今はいつだ??




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