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基本的に不幸な話は現実でお腹いっぱいだから二次妄想くらいオールハピエンでいいじゃねえかという奴なのですが(すぱなちなんか本編が不幸と不運のオンパレードだし)、そんなに真剣じゃなくぬるーい不幸なネタを書きたくなることもあります。
先日何回目じゃというCWを観に行ったわけですが、ラストの戦闘見ながら、
「…この、生身の超人二人ボロボロ状態でほんまに鉄男にのされて投降っていうのもウィンソル大量発生チュウ警報解除後だったらありえたんじゃないかしら」
という発想が浮かんできました。
しかし、極論すれば獄中ステバキは既にその流れ。あれ?でもあれとはちと違うイメージが脳内に回っている…
…こういう生ものイメージは放置すると綺麗さっぱり消え失せるので、なんかもったいないからメモっておきます。二種類浮かんでるんだ二種類。
とりあえずその1
「今度は僕が言う。君はバッキ―の仇だ」
凍ったような視線と睨みあう。その目に殺意はないのが、却って言葉を詰まらせる。
ほどなく駆けつけた国連軍に捕縛されるまで、二人が口をきくことはなかった。
・・・・・・・・・
みたいなみたいな!
分かりづらいけど脳内では一応不幸系のネタ。
今日中にもう一つの書けるかなー
…しかし、やっぱり不幸で終わるのもなんだかな。
続き書いちゃえ
↓
・・・・・
だがしかし、物理の法則を無視する動きを人間に可能にする血清は、人体の常識も無視する働きをするようだった。
折れたはずの骨はどうなっただの、切れたの神経はどうなるんだの理屈をものともせず、雪山の断崖絶壁から落ちても生きていた男は、今回もやっぱりしぶとく生きていた。
「で、誰も死んでないって聞いたのになんなの、この余計辛気くさい空気は」
「俺に聞くなよ」
腕組みをするナターシャにじろりと睨まれ、ラフト刑務所から釈放されたばかりのサムは困って顎をさする。
バーンズの救命手当が終わった時点で、面倒はごめんだとばかりにアベンジャーズの面々は全てスタークインダストリー所有の本拠地に送り返されていた。
スティーブはサムたちの釈放を喜び、釈放されなければ刑務所破りをしに行こうと思っていたと本気混じりに聞こえる冗談を言ったが、一通り無事を喜んだあとはほとんどバーンズにつきっきりで部屋にこもっていたし、そのバーンズを本気で殺しにかかったトニーは、リビングなどには顔を出すものの、気まずさもあってかバーンズの部屋には足が向かないようだった。
そのくせ頻繁にサムやナターシャに二人の様子は聞いてくる。
「めんどくさいな」
「めんどくさいわね」
ちなみに刑務所内では一番トニーに敵がい心剥き出しだったクリントは、「スパイってのは柔軟なんだ」とトニーからの和解の申し出をあっさり受け入れ、家族同伴でどこぞの高原にバカンスに行っている。
見習えば良かった、と二人は期せずして同時に思った。
「…何だよそのしけた面は…」
さすがに身動きできず、あちこち固定されたバッキ―がへにゃりと笑うのに、スティーブは傍についていたベッドに突っ伏した。
「…カッとして、トニーを『仇』呼ばわりしてしまった…」
「取り消して謝ってくりゃいいだろ」
「…そこまでの気にはなれない。彼は本気だったんだぞ。生きてるのは運が良かっただけだ」
「無理もねえだろ。実の親だぞ」
そう、交通事故死だと思っていた両親が殺害される映像を目の当たりにし、しかも下手人を目の前にしたトニーが激昂するのは当然のことだ。
「分かってる。でも僕だって本当にお前が死んだかと思ったんだ」
そう言いながら手のひらでバッキ―の頬に触れる。
「俺もだ」
バッキ―がはは、と笑うのに顔をしかめる。
「笑い事じゃないだろ」
「…落ちながら少しだけほっとしてた。それこそ『仇』と討たれても当然だしな」
「バカいえ」
「分かってるって」
私怨で討たれてやれば、次の怨恨に繋がり、さらには討った本人が苦しむ。
「寝ててもわかるこの辛気くさい雰囲気じゃあ、討たれてやるのも良し悪しだ」
「分かったなら懲りろよ」
「わざと当たったわけじゃねえよ」
トニーに致命傷を与えないこと、トニーに自分達を殺させないこと。
言葉にしたわけではなかったが、あの時二人ともそう思っていた。
「そうだな…僕はだめだ。お前が死んだと思ったら頭に血がのぼった」
するとバッキーがおかしそうに笑う。
「お前が喧嘩っぱやくて血の気が多いのは昔からだろ」
「え」
「よくそれで後先考えずに口に出してトラブってたじゃないか」
「…そうか」
「そうだ」
なんとなく顔を見合わせてくすくす笑い合う。
「…って感じでおじいさん達はとてもお元気そうよ」
窓から外を見ているトニーの横に立ち、顔を合わせないままナターシャがそう言うと、トニーははーっと息をついた。
「…そうか」
「気になるなら顔でも見に行ったら?今は機嫌いいわよ」
伝書鳩業務がいいかげんめんどうくさいナターシャにじろりと横目で見られ、トニーは慌てて時計を気にするふりをした。
「いや、この後講演があるから出かけないといけないし」
ナターシャの目がすうっと細まり、顔にわかりやすく『このヘタレ』という表情が浮かぶが、女性からの軽蔑が怖くて何十年もトニースタークなんかやっていられない。
「また様子を教えてくれ」
足早に危険地帯から離れると、後ろから声が追ってきた。
「まだ仲介してほしいなら手数料に毛皮と宝石でも持って来たら?」
「あとで届けさせる!」
「…なにやってるんだ?」
「別に。今度パパって呼んでやろうかしら」
呟くナターシャを尻目にサムはバッキ―の寝ている部屋を覗き、スティーブにコーヒーでも飲まないかと声をかける。
「行けよ。笑ったら疲れたから俺は寝る」
そういって目を閉じるバッキ―の傍を離れてスティーブが出てくる。
「ありがとう。…トニーはどうしてる?」
「講演会だって出かけたわよ」
「…そうか」
ホッとしたのかがっかりしたのか分からないような顔でラウンジに歩きだす真っ直ぐな背中を見つつ、
「ほんとにめんどくさいわ…」
「まあな」
と、間に挟まれた二人はもう一度ため息をついたのだった。
今度こそ終わる